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神からの帰国命令でなければ

「神からの帰国命令でなければ」

2017年8月20日

1909年18歳のアメリカ人女性が日本宣教の召命を受けて単身で来日しました。その女性の名はメーベル・フランシス。その後、彼女は56年に亘って日本に留まり広島・愛媛を中心に伝道し、数多くの教会をたて、福祉や教育にも貢献しました。第二次世界大戦が始まると、大使館からは退去勧告を受け、アメリカの宣教団本部からも帰国を勧める手紙が何度も届きました。しかし彼女にとって日本は敵国ではなく、神によって遣わされた愛する国でした。彼女は、神様から「私は本部の理事会よりも前にあなたを日本に召している。私がして欲しい仕事はまだ残っている」という声を聞いていたのです。帰国するという選択肢は、彼女には全くなかったので、支援が打ち切られて餓死するとしても日本に留まると本部に回答しました。戦時中はスパイと疑われたり、強制収容所に送り込まれたりしました。しかし戦後は松山に帰り、戦争で傷ついた日本人を物心両面で助け、目覚ましい働きをしていったのです。彼女の優しさと実行力と溢れるばかりの笑顔は多くの人を癒し、彼女は松山市の誇りとなり「特別名誉市民」を贈られました。戦争の愚かさを超えて一人の女性が日米両国の懸け橋となったのです。