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涙の重み

「涙の重み」

2018年5月13日

今朝の説教では、涙について語ります。以前、あるご婦人から、ご主人を亡くされた時の証しを聞きました。ご主人は五十代半ばに、日本企業の工場をフランスに造る仕事を任され赴任しましたが、一年目を終えたところで胃ガンを発病、帰国して治療に当たりました。ご主人は病床洗礼を受けて、天に召されるのですが、闘病の最後の方で、ふと奥様にもらされたそうです。「シーザーに会いたい」。それは、ずっと飼っていた愛犬でした。フランスに行くために友人に預けてあったのです。一階の救急看護室にベッドを降ろしてもらって、そこで愛犬と久しぶりに対面しました。シーザーはベッドに手をかけて、飼い主の顔を親しくなめて、涙を浮かべていたというのです。その光景は奥様の脳裏に深く刻み込まれました。闘病の思い出は、他にもたくさんあったとは思いますが、愛犬が飼い主の変わり果てた姿を見ながら、涙を浮かべる場面を思い出深く話されました。ご婦人の証しを聞きながら、私は改めて涙の重みというものを感じました。それだけ涙は尊いのです。主はそのような私たちの涙を受け止めてくださいます。武信正子姉が詠まれた句を想い起こします。「流れ星 神持ちたもう 涙壷」。