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王の養子になった農夫

「王の養子になった農夫」

2019年1月13日

世継ぎに恵まれないある王が、ふれがきを出しました。王家の一員となりたい若者は申込書を持って宮殿に集まれ、と。必要な資格は二つ、神への愛と隣人への愛でした。一人の若い貧しい農夫も申込書を出したいと思いましたが、ぼろ服を着たわが身を見れば身の程知らずのようです。しかし、彼は一生懸命に働いて稼ぎ、新しい服を手に入れ、その服をまとって、さて王家に入れるものかどうか、運だめしに出かけました。宮殿までの道のりも半ばにさしかかった頃、若者は道端で寒さに震えているあわれな物乞いに出会いました。気の毒に思った若者は、服を取り替えてやりました。またぼろ服に戻ってしまったからには、宮殿に行っても仕方がないという気はしましたが、村からはるばる出むいて来たのだから…とにかく予定通り旅を続けようと、若者は考えました。こうして、彼は官殿にたどり着き、ご家来衆にあざけり笑われたものの、王に目通りすることができました。ところが、驚いたことには、王をみれば、彼が道で出会ったあの物乞いではありませんか。しかも、若者が与えた服を着ているのです。王は玉座から降り、若い農夫を抱いて言いました。「よく来てくれた。わが息子よ。」