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人生は出会いによって決まる

「人生は出会いによって決まる」

2019年4月28日

終戦の翌年、14歳の尻枝正行少年は、宮崎県都城の町を茫然としてさまよい歩いていました。正行少年のお父さんは戦死し、家も焼かれて、一家四人は生き延びるのに必死の毎日でした。正行少年は建設中の教会の前を通りました。そこにはピカピカ光る釘が山積みにされていました。正行少年は思わずしゃがみこんで、自分のリュックにその釘を入れていました。その時、黒い服を来た外国人にいきなり首筋を押さえられました。一瞬にして彼は真っ青になりました。まぶたには薄暗い刑務所に入れられた自分と、悲しげな母親の姿が浮かびました。ところが驚いたことに、その外国人は彼を捕まえようともしないで、彼のリュックに入るだけの釘を更に入れてくれたのです。そして何も説教をせず「足りなかったら、またいらっしゃい」と言ってくれたのです。その夜、正行少年は一睡もできませんでした。自分は釘を盗もうとしたのに、その釘を惜しみなく与えてくれた外人さんの太い手と澄んだ青い目が、彼の頭から離れませんでした。そして「あの人のようになりたい」と決心し、翌日から彼は教会に通い始めました。釘泥棒の少年はやがて神父になり、後にバチカンで働くことになったのです。