MENU

体で一番大切な場所はどこ

「体で一番大切な場所はどこ」

2017年3月26日

ある青年の証です。『何年もの間、母は私に「体の中で一番大切な所はどこ」と質問してきた。ある日私は「母さん、それは耳だよ」と答えた。母は「それは違うわ。耳が聞こえない人はたくさんいるけど、その人達は生き生きとしているわ」と言った。数年後、私は「母さん、見えることはとても大切だから、答えは目だ」と言った。母は「それは正解じゃないわ。目が見えない人はたくさんいるけど、その人達も元気に生きているわ」と言った。何年も私は考え続けた。しかし母は「違うわ。でもだんだん答えが近くなってきたね」と言うだけだった。去年、祖父が亡くなり、母の目に涙があふれているのを見て、私は母を抱きしめた。母は私に寄りかかりながら言った。「体で一番大切な所は、あなたの肩よ。」私は問い返した。「それは頭を支えているから?」母は答えた。「いいえ、あなたが愛している人や友達が泣いている時に、彼らの頭を支えるからよ。人は皆、泣く時に支えてくれる肩が必要なの。あなたはこれからたくさんの友達と出会い、友情を育てるでしょう。そして、私が今あなたの肩を必要としているように、誰かが肩を必要とする時、肩を貸してあげることを忘れないで。」』

「死なない薬」

2017年3月19日

以前、仙台駅の近くに「死なない薬」という看板を出している薬局がありました。店内に入って最初に目にするのは「腹の減らない薬」という張り紙で、その下に置かれていたのは一束の稲でした。少し進むと「賢くなる薬」という張り紙があり、その下には百科事典や数冊の書物が置かれていました。そして店の一番奥に、問題の「死なない薬」の張り紙があり、その下には開かれた一冊の聖書が置かれていました。この薬局の経営者はクリスチャンで、「死なない薬」の看板は、彼の信仰の証しであったのです。確かに聖書は、私たちの心を健やかにし、「永遠の命」を約束してくれる薬です。ただ、この薬は、正しい用法に従って服用しなければなりません。この薬は、食前でも、食後でも、食間でも構いません。毎日続けて、なるべく多く服用することが大切です。そして先入観や自分のこだわりを捨てて、子供のような素直な気持ちで、その効果を信じて用いなければなりません。更に、薬の効果を日常生活の中で実行してみることが求められています。日本人ほど薬の好きな民族はないと言われています。薬好きの日本人に、聖書という「死なない薬」を、広くお勧めしていきたいと思います。

「神様は急がない」

2017年3月12日

先週の説教で、神様という農夫は、ぶどうの枝を愛と忍耐をもって育ててくださるので、そんなに性急に枝を取り除くことはされない、と語らせていただきました。スペインのバルセロナに「聖家族贖罪教会」(サグラダ・ファミリア)と呼ばれる教会堂が目下建築中です。建築中といっても、この大聖堂の工事は1882年3月19日に始まったそうですから、もう135年も経っています。パリのノートルダム寺院やミラノの大聖堂など、外国では完成に五百年近い年月を要したものも少なくありません。しかし、その頃とは建築技術が格段の進歩を遂げている今日、百年以上かけての建築は異例なことです。「贖罪教会」なので工事の費用はすべて献金によっているため、別々の箇所を同時に建設することができず、年月が掛かっているそうです。この工事が百年目を迎えたとき、「あの大聖堂は一体いつ建つのだろうか」と町の人々は互いに尋ね合ったそうです。そしていつの間にか、その言葉が市民の挨拶の言葉になったと言われます。その時ある人が、「神様はお急ぎにならない」と言ったため、この言葉もまた流行語になったそうです。「神さまは急がない」。愛と忍耐の神様に感謝したいと思います。

「他人と比べない生き方」

2017年3月5日

先日、アレセイア湘南中学・高校の礼拝で、クリスチャン詩人の水野源三さんの話をしました。9歳の時に赤痢に罹り、異常な高熱のため首から下の機能を全く失い、話すこともできなくなりました。五十音を辿って、その字のところに来ると瞬きをする。そうやって母親や妹さんに、一字一字を拾って貰って詩を作りました。その詩に感動した一人の少年が水野さんを訪ねました。この少年は難病に罹っていて、やがて失明してしまうと宣告されていたのです。なぜ自分がこんな不幸に遭わなければならないのかと、苦しみ悩んでいた少年に、水野さんは瞬きで一つ一つ字を拾って語りました。「他の人と比べることをせずに、自分に与えられた人生を生きなさい」。手も足も動かせず、口もきけず、瞬きすることしかできない。そんな水野さんが「他の人と比べずに、自分の人生を生きなさい」と言ったのです。キエルケゴールは「すべてこの世的な思い悩みは、自分と他者とを比べることに原因がある」と言っています。主イエスは言われています。「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」。この御言葉を信じて与えられた人生を生きていきたいと思います。