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問題の根源は私に

「問題の根源は私に」

2021年6月6日

英国のタイムズ紙が19世紀の終わりに、「世の中、何が問題なのだろう」と読者に質問しました。たくさんの回答を受け取りましたが、特に卓越した簡潔な答えがありました。作家であり、哲学者でもあったG.K.チェスタトンの回答で、「私です」の一言でした。責任転嫁の世の中にあって、一服の清涼剤です。パウロは「以前、わたしは神を冒瀆する者、迫害する者、暴力を振るう者でした」と過去の過ちを告白しました(Ⅰテモ1:13)。そしてイエスが来られたのは「罪人」を救うためだと述べた後、自分こそが「その罪人の中で最たる者」だと語りました(15節)。チェスタトン的な自覚です。パウロは、時代を超えて、世の中の何が問題なのかを正しく知っていました。「一家に一人悪人がいれば、その家は安泰だ」という言葉があります。何か問題が起きた時、真っ先に「私が悪かったのです。ごめんなさい」と言える人が一人でもいれば、その家はいつも平安に満ちているというのです。「お前が悪い」と指さす時、親指は自分の足元を指しています。そして、中指、薬指、小指は自分の胸を指しています。つまり4本の指は自分に向かっているのです。そのことをいつも覚えていたいと思います。